はじめに
「家族葬は安い」とよく言われますが、本当にそうなのでしょうか？確かに家族葬は一般葬に比べて参列者が少なく、規模も小さいため、費用が抑えられる傾向にあります。しかし、選ぶプランやオプションによっては、思った以上に高額になることもあります。本記事では、家族葬の実際の費用と一般葬との比較、さらに費用を抑えるためのポイントを解説します。
家族葬の費用相場
家族葬の全国平均費用は50万円〜120万円程度です。
【家族葬の費用内訳】
- 基本葬儀費用：30万円〜80万円
- 火葬費用：5,000円〜10万円（自治体により異なる）
- 会場使用料：10万円〜30万円
- 僧侶・宗教者への謝礼（お布施）：5万円〜20万円
- その他（供花、香典返し、会食費）：5万円〜20万円
このように、一般葬よりも費用を抑えやすいものの、項目ごとに費用が発生するため「格安」とは限りません。
家族葬と一般葬の費用比較
家族葬と一般葬の費用を比較してみましょう。
| 項目 | 家族葬 | 一般葬 |
|---|---|---|
| 葬儀全体の費用 | 50万〜120万円 | 150万〜200万円 |
| 参列者数 | 10〜30人 | 50〜100人以上 |
| 会場費 | 10万〜30万円 | 20万〜50万円 |
| 通夜・告別式 | 1日葬または2日葬 | 2日葬（通夜＋告別式） |
| 飲食接待費 | 5万〜20万円 | 30万〜50万円 |
| 香典収入 | 少額 | 多額（葬儀費用の一部を補填可能） |
この比較からわかるように、家族葬は総額では一般葬より安いものの、香典収入が少ないため自己負担が増えることが多いです。
家族葬の費用が高くなるケース
家族葬が必ずしも安いとは限らない理由として、以下の要因が挙げられます。
1. 追加オプションの費用
葬儀社の基本プランに含まれない項目を追加すると、費用が高くなります。
- 高級な祭壇（10万円〜30万円）
- 供花・供物（1基1万円〜2万円）
- 会食のグレードアップ（1人5,000円〜1万円）
2. 火葬場の利用料
公営火葬場は安価ですが、民間火葬場を利用すると5万円〜15万円かかることがあります。
3. 宗教儀式の費用
僧侶を依頼する場合、お布施（5万円〜20万円）や戒名料（10万円〜50万円）が追加されることがあります。
4. 参列者対応の手間
家族葬では後日弔問者が個別に訪れることが多く、その対応に手間や追加費用（香典返し、会食）が発生する可能性があります。
家族葬の費用を抑えるポイント
家族葬の費用を抑えるためには、以下の方法が有効です。
1. 公営火葬場を利用する
自治体が運営する火葬場は、民間よりも安価または無料で利用できることが多いため、事前に確認しておきましょう。
2. 通夜を省略して1日葬を選ぶ
1日葬（通夜なし）にすることで、会場費や飲食費を大幅に削減できます。
3. 不要なオプションを削減する
過剰な祭壇装飾や供花を減らすことで、10万円以上の節約が可能です。
4. 複数の葬儀社の見積もりを比較する
葬儀社によって料金が異なるため、最低でも3社の見積もりを取ることをおすすめします。
5. 互助会を活用する
葬儀社の互助会に加入すると、割引が適用される場合があります。ただし、途中解約時の返金条件を確認しておきましょう。
まとめ
「家族葬は安い」と言われることが多いですが、追加オプションや参列者対応の負担を考慮すると、必ずしも低コストとは限りません。一般葬よりも費用を抑えやすいものの、葬儀の内容次第では高額になることもあります。事前に費用の内訳を確認し、複数の葬儀社を比較することで、無駄な出費を抑えながら満足できる家族葬を実現しましょう。
