はじめに
家族葬は、親しい家族や近しい親族のみで行う小規模な葬儀ですが、親族間で意見が食い違い、トラブルに発展するケースもあります。「誰を参列させるか」「費用はどうするか」など、事前にしっかり話し合わなければ、後々の関係に悪影響を及ぼすことも。本記事では、家族葬におけるトラブルの原因と、親族間の対立を防ぐための対策について詳しく解説します。
家族葬で起こりやすいトラブルと原因
家族葬では、以下のようなトラブルが発生しやすいです。
1. 参列者の範囲をめぐる意見の違い
「どこまでの親族を呼ぶのか?」という点で意見が分かれることが多いです。
- 「親戚の○○さんも呼ぶべきでは?」
- 「故人と親しかった友人を呼ばないのは失礼では?」
家族葬の本来の目的は、親しい人だけで静かに故人を見送ることですが、親族によって考え方が異なるため、事前に明確な方針を決めることが重要です。
2. 葬儀費用の負担に関する問題
家族葬の費用は一般葬より抑えられることが多いですが、それでも50万~120万円程度の負担が発生します。
- 「喪主が全額負担するのか?」
- 「親族で分担するのか?」
こうした費用負担の考え方が異なると、後々トラブルになりやすいため、事前に話し合うことが必要です。
3. 遺産や相続をめぐるトラブル
葬儀後、相続に関する問題が持ち上がることもあります。
- 「家族葬だから、相続の話もしやすいと思ったのに…」
- 「○○さんだけ多く遺産をもらうのでは?」
葬儀と相続は別の問題ですが、同時期に話し合うことで親族間の対立を招くケースもあります。
4. 香典の受け取りをめぐる問題
家族葬では、香典を受け取るか辞退するかを決める必要があります。
- 「香典を受け取らないのは失礼だ」
- 「香典返しの負担が増えるから辞退したい」
香典の扱いに関しても、意見を統一しておくことが大切です。
親族間の対立を防ぐためのポイント
1. 事前に家族葬の方針を決めておく
家族葬を行う場合、誰を参列させるか、香典はどうするか、費用はどう分担するかといった点を事前に話し合い、家族で統一の方針を決めておくことが重要です。
2. 親族への説明を丁寧に行う
家族葬を行う際には、親族に事前に説明し、理解を得ることが大切です。
親族への連絡例:
「このたび、故人の遺志により、家族のみで葬儀を執り行います。何卒ご理解いただきますようお願い申し上げます。」
3. 費用の負担を事前に決める
葬儀費用を巡るトラブルを避けるためには、事前に分担方法を決めておくことが大切です。
- 喪主が全額負担するのか
- 親族で分担するのか
- 香典を葬儀費用に充てるのか
こうした点を明確にしておくことで、後のトラブルを防ぐことができます。
4. 参列者の範囲を明確にする
家族葬の参列者を明確にし、参列を希望する人への対応も考えておきましょう。
- 「家族葬のため、参列はご遠慮いただいております。」
- 「落ち着いたら、故人を偲ぶ場を設ける予定です。」
5. 香典の対応を統一する
香典を受け取るのか辞退するのかを決め、統一した対応をとりましょう。
- 香典を受け取る場合:香典返しの準備をしておく
- 香典を辞退する場合:事前に案内状や受付で伝える
6. 相続の話は葬儀とは切り離す
相続の話は、家族葬の場ではなく、後日、落ち着いてから行うことをおすすめします。
- 「相続については後日、改めて話し合いの場を設けましょう。」
- 「葬儀の後、正式な場を設けてご相談させていただきます。」
まとめ
家族葬は、小規模な葬儀だからこそ、親族間の対立が発生しやすい側面もあります。トラブルを防ぐためには、事前に方針を決め、親族としっかりコミュニケーションを取ることが重要です。
特に、参列者の範囲、費用の負担、香典の扱いについて統一した対応を取ることで、スムーズに進めることができます。家族葬を穏やかに行い、故人を静かに見送るために、事前準備をしっかり進めていきましょう。