はじめに
家族葬は、親族や親しい人のみで行う小規模な葬儀です。そのため、香典を受け取るべきかどうか迷うこともあるでしょう。家族葬では「香典を辞退する」ケースも増えていますが、必ずしも辞退しなければならないわけではありません。本記事では、家族葬における香典のマナーや、受け取る場合・辞退する場合の判断ポイントを詳しく解説します。
家族葬での香典の基本マナー
香典は、故人を弔う気持ちを表すものであり、参列者が遺族にお悔やみの意を伝えるためのものです。家族葬では、以下の3つの方針が考えられます。
- ① 香典を受け取る … 一般的な葬儀と同様に香典を受け取る。
- ② 香典を辞退する … 負担を減らすために香典を受け取らない。
- ③ 限られた人のみ受け取る … 親族のみ香典を受け取るが、友人・知人は辞退する。
どの対応を選ぶかは、遺族の意向によりますが、それぞれのメリット・デメリットを見てみましょう。
香典を受け取る場合
【メリット】
- 葬儀費用の負担を軽減できる
- 弔意を示す参列者の気持ちを受け取れる
- 一般的な葬儀と同じ流れで対応できる
【デメリット】
- 香典返しの準備が必要になる
- 受け取りの際の対応に手間がかかる
香典を受け取る場合、香典返し(お礼の品)を準備し、後日お礼状とともに送るのが一般的です。
香典を辞退する場合
【メリット】
- 香典返しの手間が不要
- 弔問者の負担を軽減できる
- 遺族が香典の管理をする必要がなくなる
【デメリット】
- 「香典を渡したい」と考える人に戸惑いを与える可能性がある
- 参列者が気を使いすぎてしまうことがある
香典を辞退する場合は、事前に案内を出しておくことが重要です。
香典辞退の伝え方
香典を辞退する際は、訃報連絡や案内状、葬儀場の受付で伝えるのが一般的です。
- 案内状の例文:
「誠に勝手ながら、故人の遺志により香典の儀は辞退申し上げます。」 - 受付での伝え方:
「本日はお越しいただきありがとうございます。恐れ入りますが、香典は辞退させていただいております。」
一部の人のみ香典を受け取る場合
家族葬では、「親族の香典は受け取るが、友人・知人からは辞退する」という形を取ることもあります。
【メリット】
- 親族間で葬儀費用を補える
- 弔意を受け取りながら、参列者の負担を軽減できる
【デメリット】
- 「どこまでの範囲を受け取るのか」決めておく必要がある
- 一部の人に「なぜ自分は渡せないのか?」と疑問を抱かれる可能性がある
香典を受け取る場合のマナー
1. 香典返しの準備
香典を受け取る場合、香典返しの品を用意するのが一般的です。
- 相場:香典の半額〜3分の1程度
- 品物の例:お茶、菓子、カタログギフト
- 送るタイミング:四十九日法要後が一般的
2. 受け取る際のマナー
香典を受け取る際は、「ありがとうございます」ではなく、「お気遣いありがとうございます」と伝えるのがマナーとされています。
香典を辞退する場合の注意点
香典を辞退する場合、以下の点に注意しましょう。
- 案内状や訃報の通知で事前に伝える
- 受付で丁寧に辞退の意思を伝える
- 辞退を伝えた場合でも、無理に返さず、受け取った場合は香典返しを準備する
まとめ
家族葬における香典は、受け取るか辞退するかを事前に決めておくことが重要です。香典を受け取れば葬儀費用の補填になりますが、香典返しの手間が発生します。一方で辞退すると、参列者の負担を減らせるものの、弔問者への配慮が必要になります。どちらを選ぶかは家族の意向を尊重し、適切に伝えるようにしましょう。